Diary

その人は、水路のそばに植わった木のようだ。
時が来ると実がなり、
その葉は枯れない。
その人は、何をしても栄える。







2023年2月の日記



 
2023.2.24 Fri    夢のみずうみ村

父にとケアマネさんに薦めていただいてデイサービス「夢のみずうみ村」を見学してきました。自習性を重んずる、珍しいデイサービスで、1日のスケジュールを利用者さん本人が決められます。昔ながらの古い建物ではありますが、随所に丁寧な仕掛けが施され、心地よい雰囲気を醸し出していました。文化祭の学校のイメージも。私はとても好感度は高かったのですが、父は「私は行きたくありません!!」「惨めなよぼよぼの老人ばかりで嫌気がさします!」と。はああ。なんでそんな暴言を吐くのかなあ。利用者さんは父よりよほどしっかりなさっていらしたし、みなさん楽しんでいるのが伝わってきました。人とのコミュュニケーションが苦手な父(いい歳してコミュ障か!!)そして努力も嫌い。単に面倒臭くて行きたくないための言い訳です。
「私は日常生活でしっかりやっています!!庭の掃除もするし(半年以上何もしていないよね)、道路の掃除もします(これもまったくやっていないよね)、買い物で4キロ近く歩いています(いえいえ、せいぜい片道450m。往復で1kmもないよ)」とケアマネさんにウソばかり。挙句に「長生きしたくないんです!私にかまうな!」と言いながら、毎日「靴下履かせろ、コートを着させろ。メガネ取れ」と甘えてばかり。げんなりです。
なんでこんなことばかり言うのかなあ。衰えてきた自分を認めるのが怖くて去勢をはっているのかしら。介護あるあるなのかもしれないけれど、疲れますね。



 
2023.2.23 Thu    Me&Kei

新井英夫さんの障害者施設でのワークショップにアシスタントとして参加させていただきました。「新井一座」です。昨年の12月から月1回で3回シリーズでした。
参加者のMさんは車椅子に乗って、いつも腕組み。何をしても怖い顔のまま表情を変えず、反応してくれません。そのMさんがピンクレディの「ペッパー警部」がお好きという情報を聞き込んで、最終回の先日は途中で「ペッパー警部」を踊るというシーンを新井さんが作り出しました。私ともう一人のアシスタントTさんでMさんを真ん中にして踊っていると、なんと!Mさんの口元が緩んで、さらにリズムをとって小さく踊りだしたそうです。やった!!!!(実は私は背中合わせで踊っていたので現場は見えなかったのですが仲間の報告です)自分の中にある音楽とダンスで、心もほぐれていくのですね。ペッパー警部の振り付けをyoutubeで勉強して練習した甲斐がありました。こうしたご褒美があるのでワークシショップはやめられないですね。そして、何より、新井さん、お声がけいただいて有難うございました!!



 
2023.2.19 Sun    眼窩裏の火事

府中市美術館で諏訪敦さんの「眼窩裏の火事」を観てきました。対象に迫って迫って迫る作品群に圧倒されました。タカオ氏がモデルになっていて、それも感慨深いなあ。
因みに母にカタログ画集を観せたところ、ものすごく共感していました。母も戦後平壌からの引き上げ者、つまり「棄民」です。自分も抱いている「怨念」が絵の中に見事に顕されていると感じた様です。「本物を観に行く?」と誘ったところ、「トラウマになりそうだから図録で大丈夫。心に刻んだから」との返事でした。母にはわかりすぎて辛いのだと思いますが、それを超えてなおかつアートとして感動させる作品の力。すごいです。



 
2023.2.17 Fri    恒例行事

今年も来ましたスギ花粉!毎年この季節のなると鼻水ぐしゅぐしゅ、目かゆかゆ、頭ぼ〜です。もはや春の恒例行事です。さっそくクリニックで薬をもらってきました。薬を飲むと一気に楽になるので、かなり身体に負荷をかけているんだろうな、とは思います。鼻うがいで対応して、薬は飲まない。というのは理想ですが、やはり薬に頼ってしまいます。人間どんどん軟弱になるなあ。



 
2023.2.15 Wed    密空間

先日、ムリウイさんで、じゅんじゅんScenceとモノクローム・サーカスの2本立て上演「ダブルビル」を観てきました。ムリウイさんの4.6m×3.5mの空間でこの二つがみられるなんて、なんて贅沢なんでしょう。パフォーマーの圧が感じられる様な密接な空間です。じゅんじゅんさんは「コンテンポラリーダンスはわかりにくい。と言われてしまうので、作品ごとにトークをする上演を始めた」と言っていました。とっても共感します。ダンスは自由に鑑賞していい、ってどうしたら伝えられるのかしら。



 
2023.2.13 Mon    まなびほぐし

ハセガワさんがARDAさんで対話型学習を学んでいます。最終日に修了生もVTS実践に参加できるので、行ってきました。久しぶりに同期のメンバーとも会えて、ちょっと同窓会気分です。
私が対話型鑑賞を学んだのは2015年。もう8年も経つのですね。初めはせっせと勉強会に出ていたのですが、次第に足が遠のいてしまいました。講座の中で言われていましたが、VTSのスキルは筋肉のよう。筋トレをしていないとすぐに衰えてしまいます。昨年VTSを使ってダンスを創るワークショップをした時に、VTSの自主練をしたのですが、力が落ちていて愕然としました。
今回の講座の実践では受講生さんのVTSを聴きながら、あらためてたくさん気づくことがありました。こうした学び直しは大切ですね。会場で「しっかり筋トレします!」と言ったら「それよりも実践です!」と返されました。そうですねえ。今年は少し面白いことしたいですね。



 
2023.2.9 Thu    3歩進んで2歩下がる

ソロダンスのクリエーションもひと段落して、昨日は久しぶりにDVDで綿本彰さんのパワーヨガをフルバージョンでやりました。と…あれれ〜「ダウンドッグで呼吸をしながら30秒」のところで二の腕がプルプル。片手で身体を支える賢者のポーズでもう腕が激しくブルブルです。うわああ〜〜、恐ろしく腕力が衰えている〜。もともと腕は弱いけれど、クリエーションにかまけてフローヨガはやっていなかったとはいえ、こんなに筋肉が落ちるとは。毎週行っているヨガはアイアンガーなのでアライメントは厳しくやりますが、腕力に頼る様なポーズはやりません。3歩進んで2歩下がるどころか4歩も5歩も下がった感じです。高齢者が1週間寝込むとがっくり筋力が落ちると言われますが、なんだか納得しました。
危機感に襲われて、今日もせっせとパワーヨガです。ところが今日はプランクから肘を曲げるダンダアーサナが二の腕が筋肉痛で肘が曲げられません。プルプル以前の問題です。情けない〜。また一歩ずつ身体づくりですねえ。やれやれ。



 
2023.2.8 Web    見えないもの

バイトで某スポーツのチケット販売の電話オペレーターをしていますが、今回はコロナ禍前のような盛況でした。朝の10時にスタートしてお昼休憩45分を除いてノンストップで18時まで、喉が枯れました。みんなもうコロナに気を使わないんだな、と感じました。withコロナ。「コロナはただの風邪」「かかってもたいしたことはない」との風潮です。5月には5類になるとのこと。若い人はね。でもね、高齢者、しかも基礎疾患のある人にはコロナはやはり危険です。インフルエンザであっても1週間寝込んでしまったら、歩けなくなります。92歳を抱える身は、家にコロナは持ち込めません。みんながマスクをはずして、無症状者がウイルスを撒きちらす様になる中で生活するのか、と思うとすこしゲンナリします。能天気にしていられる人たちがちょっと羨ましいです。政府は経済対策に加え、税金を使い倒す高齢者を減らそうとしているんじゃないか、なんてブラックな考えも浮かんでしまいます。ウイルスは見えないからねえ、見えたらいいのにね。



 
2023.2.5 Sun    窓フェチ

ムリウさんでのkoten#18終了いたしました。寒い中ご来場いただいたみなさん、有難うございました。
自分としてはチャレンジな構成の作品となりました。15分の作品のうち半分以上後ろ向きで顔が見えない。最後にようやく前をむいて顔が見えます。お客さまのストレスたまるよな〜と思いつつも、今回のテーマ「閉塞感と解放感」を考えた時に勇気を持ってトライしました。お客様からは「いつ前をむくんだろう…と思いながら観ていた」とのご意見もいただき。う〜んやっぱり。でもチャレンジできてよかったです。
今回も現場での照明音響を一手に引き受けてくださったスーパースタッフ、ムリウイのたけしさんのこまやかな対応や共演のみなさんに支えられました。とても和やかで協働の現場でした。
最後の最後まで創り続けた今回。あと1週間ほしかったなあ、と思ってしまいます。介護の合間を縫ってのリハーサルは結構大変でした。今まで自由に好きなだけ稽古ができたことは、とても幸せなことだったのだな、と実感しました。この作品でやりたかったこと、形にできたかしら。上演は終わってしまうとあっという間です。それが時間芸術の定めですね。この作品、ブラッシュアップしてまた踊りたいです。



 

 

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